一言にカヌーと言っても多種多用、ホワイトウォーター(激流)を下るための競技用プレイボートや、海をステージにしたシーカヤック。
カヌーは、乗る人の用途によって、誰もがイメージするカヌーとは違った外観を見せるものもあります。

我が国日本で一般的に多くイメージされるカヌーは、たぶんクローズデッキのカヤックでしょう。

「ではカヌーとは?」
船縁が大きく口をあけ、荷物を沢山積めるタイプをカヌーと言います。イヌイットや先住民が、生活の道具として使っていたのがカヌーです。

その昔、「海は開け、陸は閉ざす」と言われた時代、まず先に開拓の道を辿ったのがカヌーでした。いかだに始まり、木をくり貫いたものから、獣の皮を張って軽量化したものまで。

カヌーを分けるとすれば種類は二つ、パドルの形状です。左右どちらかで漕ぐシングルパドル、左右どちらでも漕げるダブルパドル、古くからエスキモー達は、あざらしを追って極寒の海で狩をします。音をたてずに素早く獲物に近づくためにシングルパドルからスピードのでるダブルパドルへと進化させました。

熟練とはいえ氷点下の海での「沈」は直接死を意味します。オープンカヌーは海水の浸入を防ぐため、デッキを閉じたクローズドへ、現在のカヤックの原型へと進化をとげたわけです。またダブルパドルでのセルフレスキュー(エスキモーロール)が身に就けられたのもこのころです。

このように、カヌーは使う人の用途によって選ばれます。そして草分け的な存在であるのがオープンデッキのカナディアンカヌーなのです。
素材や製造技術こそ変わってきましたが、その伝統的なスタイルは今でも愛され続けています。